倉敷市 様

業務の迅速化と省力化を実現する電子化サービス

業務の迅速化と省力化を実現する電子化サービス

現在の預貯金等の照会は、基本的に紙ベースでの依頼・回答で行っているため、回答時間がかかり、異なる様式での確認作業等で業務負担が大きい状況である中、2018年1月16日、電子行政の関係閣僚で構成する「eガバメント閣僚会議」にて5カ年の 「デジタル・ガバメント実行計画」が決定し、個別サービス改革として「預貯金等の照会」の効率化が盛り込まれた。倉敷市においても、いち早く滞納整理に関して一部の金融機関とデータでのやり取りを取り入れたが、セキュリティ面で不安を感じていた。そのような状況の中、倉敷市のネットワークおよび基盤システムを提供しているNTTデータ中国より紹介を受け、2020年7月、倉敷市はNTTデータグループ主催の預貯金照会業務を行う電子サービス勉強会へ参加し、「pipitLINQ」の必要性を感じた。1カ月間の試行運用を経て、2021年4月から本格稼働。現在も紙書類での処理とpipitLINQを使った電子処理とを並行しての運用ではあるが、処理を電子化した部分では導入から半年で作業負担が大幅に軽減された。

お客様の課題

  • 依頼から回答までに時間を要し、情報の鮮度に欠ける
  • 大量の調査件数による費用負担大
  • セキュリティの安全性

導入効果

  • 省力化、迅速化に多大な効果を発揮
  • 定額プランの導入で費用削減
  • 閉域網(LGWAN)の利用でセキュリティ担保

導入の背景と選定ポイント

セキュリティの担保と情報の鮮度の良さが魅力

倉敷市 税務部納税課 徴収係長 石井氏

倉敷市 税務部納税課 徴収係長の石井氏は、預貯金等照会業務における当市の課題について、「2016年度から積極的な滞納整理に舵をきり、一部金融機関とは記録媒体を使用した電子的財産調査を行っていましたが、セキュリティ面での不安に加え、依頼から回答を得るまでに時間を要するため、紙による調査も含めてですが、情報の“鮮度“にも課題を感じていました。

また、国における「デジタル・ガバメント実行計画」に預貯金等の照会が盛り込まれるなど、財産調査の効率化の必要性についても認識しているところでした。他社も含めてLGWANという自治体専用回線を利用した財産調査のシステムが運用を開始したことは知っていましたが、当初は、利用可能な金融機関が少なかったことから納税課内でも情報共有の域をでることはありませんでした」と語る。

2020年度になり、倉敷市の指定金融機関がpipitLINQに対応する予定との話を受けたことをきっかけに、NTTデータグループの勉強会に参加、導入に向けて動き出したという。

「勉強会で感じた導入の大きなメリットは、やはり情報の鮮度でした。依頼から1~3日で回答を得られるため、迅速化の点において今までとは比較になりません。また、料金体系も定額プランが用意されていることも重要なポイントでした。年間で数万件の調査を行っており、従量プランだとどうしても遠慮が生じてしまうため、心置きなく照会できる点は魅力でした。勉強会の後、納税課内で意見交換を実施したところ、担当者から「ぜひ使いたい」と声があがり、国民健康保険課でも同様であったため、徴収セットプランでの導入に至りました」と石井氏。

セキュリティやスピード感といった課題を解決できると感じた倉敷市は、2021年3月から試行運用を経て、同年4月から本格稼働を開始した。

導入効果

運用方法の改善により、回答データを有効に活用

現在の利用状況について石井氏は、「4月から国民健康保険課と納税課それぞれで運用開始し、国民健康保険課としては毎月滞納者全件調査として一括で1万数千件の照会を、納税課としては2カ月に1回隔月で1万数千件から2万数千件の一括照会と、それに加え随時分として週1回のペースで数件から数十件の照会をしてきました。導入後、一括照会のデータ運用面でも安定してきたため、今後は納税課でも毎月の一括照会を行うことを検討しています」と語る。

大量のデータを一括処理で行える点は、迅速化とあわせ大きなメリットだと感じているようだ。

またサービスの使用感については、「新着情報とインターフェイスも簡易で分かりやすく、アップロード、ダウンロード操作についても問題ありませんでした」と語る一方で、導入当初は、アップロード前の作業であるデータの作成や、ダウンロードした後の回答データの読み取りに少し課題があったという。

「数十件のデータを随時作成する際は、当初NTTデータ中国から提供されたエクセルツールを利用することでスムーズに処理を行えましたが、当市の考えていた一括照会の1万件以上のデータとなると、同エクセルツールが動かないというような状況になりました。ダウンロードの回答ツールについても同じ状況がありました。もちろんこれについては、当市の希望する運用方法での問題であり、データを小分けにする、随時に入力することで回避できる問題ではありました。ただその後、課内の職員がACCESSを利用してデータ管理を行うツールを作成したことで、大量データの一括照会が可能となり、迅速化のメリットに加え、省力化の点においても飛躍的に効果を得ることができるようになりました。現在では、課内の各徴税吏員が自席のパソコンから、いつでも、簡単に、回答データにアクセスできるようになっています」と石井氏。

pipitLINQの導入から半年と間もないが、倉敷市の理想とする運用方法を独自に確立させ、情報のさらなる有効活用、また業務の迅速化・省力化に多大な効果を感じているようだ。

今後の展望

pipitLINQ導入を皮切りに、他システムへも適用し、更なる業務効率を推進

今後の展望について石井氏は、「当市において今後もさまざまなシステムを更改し、データ連携をしていくので、さらに入力の負担を減らすことも可能と考えていますし、ますます業務効率を高めることができると思います。まずは、さらにより多くの金融機関がpipitLINQに対応されることを期待しています。当市においては既に指定および指定代理金融機関様との照会が可能となっていますが、近県、全国の金融機関への拡大がさらなる効率化をもたらすと考えています。また、当市の状況としまして、全体の滞納者は減ってきている反面、低額帯の滞納者がなかなか減っていかない傾向にあり、費用対効果が上がるようにどのように改善していくかが課題となってくるので、今後の取り組みについてもNTTデータ中国のお知恵を拝借したいと思います」と語る。

pipitLINQは今後、保険会社、証券会社への連携基盤拡大および利便性向上のための機能追加を行っていく予定であり、NTTデータ中国としても倉敷市様の課題解決に向け、今後もさまざまな相談ができるパートナーとして尽力していきたいと考えている。

お客様情報

お客様名 倉敷市
住所 岡山県倉敷市西中新田640
事業概要 倉敷市域における各種行政サービスの提供
ウェブサイト https://www.city.kurashiki.okayama.jp/
  • 本事例で掲載されている商標またはサービスなどの名称は、各社の商標または登録商標です。